2005/11/03

「地下鉄(メトロ)に乗って」映画化

 浅田次郎の人気小説「地下鉄(メトロ)に乗って」の映画化されるのにあたって制作発表がされています。

 この小説はわたしが浅田次郎の作品を読み漁るきっかけとなった作品で、登場人物達が複雑に絡み合うのを頭の中で必死にほぐしながら、さらにちょっとした謎解きもしながら、さらに悲しい運命にホロリとさせられながら、一気に読了してしまったものです。
 なんといいますか、まあ、簡単にいって超1級のエンターテイメント小説です。

 「登場人物達が複雑に絡み合う」と書きましたが、その大きな理由のひとつはタイムスリップです。あんまり書くと読む楽しみがなくなってしまうので書きませんが、私はどうもハートウォーミングな物語に「タイムスリップ」などの超現実的な要素が絡んでくるのに弱いようです。

 そのひとつが「天国から来たチャンピオン」です。アマゾンのレビューによれば
 自動車事故でこの世を去ったプロのアメリカン・フットボール選手ジョーは、自分の命がまだ寿命に達してないのに、新米案内人のミスで天国へ連れて来られたことを知らされる。しかし戻るべき肉体は既に灰となってしまっていた。そこで彼は青年実業家の肉体に乗り移るのだが…。

 という物語で、まぁ、今となってはよくある感じのストーリーなのですが、この「よくある感じ」のオリジナルといってもいい作品です。

 私はこの映画を中学生の頃に、ひとりで自宅のテレビで観たのですが、あまりにストーリに入り込んでしまって、自分の周りの現実が急に現実感を失って、なんだか自分の座っているソファから自分が少し浮いているような、映画を観ている自分を天井のあたりから眺めているような、幽体離脱のような不思議な感覚を味わったことを憶えています。

 こんな感覚を味わったのは、後にも先にもこの映画だけです。

 話しがちょっとずれましたが、映画「地下鉄(メトロ)に乗って」は原作の素晴らしい魅力を損なうことなく、さらにその魅力を増幅させるような演出によって、いや、増幅させずにそのままでいいか、とにかく魅力的な映画に仕上がってくれることを期待しています。

[Movie]
 


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