2006/05/28

問題にしたい人がいるから問題になる

 連日のように子供がひき逃げされた事件について報道がされています。

 あの事件が報道された当初は、誘拐や殺人などの可能性を秘めていて、大事件に発展しそうな雰囲気だったのですが、明くる日には少年が発見され、ひき逃げであったことが明らかになり、少年はもう快方に向かっているということで、もう既に大騒ぎするほどの事件性はなくなっているのですが、騒ぎはじめてしまっただけに報道各社は引くに引けなくなってしまったという感じでしょうか。

 この前『「働くこと」の本質』でご紹介した西村博之氏のインタビュー記事の中に、ずっと引っかかっているフレーズがあります。
 いまニート問題がクローズアップされているのはなぜだと思うかと質問されて、
暇なんじゃないですか? そこに問題があると騒いで、ニュースにしたい人がいるからだと思います。

 とてもさらりと出てきたことばなので見落としてしまいそうですが、最近のさまざまな報道の無用な加熱ぶりにちくりと皮肉を込めた発言ですね。
 久米宏さんが「ニュースステーション」で構築した「ニュースショウ」というテレビ番組のひとつのカテゴリーがもたらした功罪は、予想以上に大きいような気がします。

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