2007/02/09

野ばら/奥田民生

大阪で勤めていた頃にある後輩が「いやぁ、民生の野ばらがやたらといいんッスよぉー」といっているのを聞いて、へぇーと思って聴いてみたけど、ふぅーんって感じだった。

さっき仕事中に「野ばら」を聴いて「うぉぉー、コレ名曲じゃん!」って思った。
あれから10年ほど経ってようやく、僕はあの後輩の感性に追いついたってことみたいだ。

淡々とした曲だ。
盛り上がりというものがどこにもない。
とにかく淡々とした曲だ。
それがあのとき僕に響いてこなかった理由だろう。
あの頃の僕は、歌詞を聴くってことがほとんどなかった。

遠くに住む誰かの街の天気を天気予報で見て、自分の住む街の天気と照らし合わせながら、その誰かに思いを馳せる男の歌だ。

机の上には野ばら。
花屋で買ったばらじゃなくて、どこかで摘んできたばら。
野ばらだ。

「サンダー」「ウィンター」「あんたー」と韻を踏んで言葉遊びをしているのは、最後の歌詞を歌うための照れ隠しだろう。

「いい調子でやってるかな」って想うのも想われるのも、なんて素敵なことなんだろう。
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  • 発売日: 1997/07/01
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