2007/01/26

ゆうれいホテル

今朝、出勤中の車内で聞いたラジオで、詩人・俵万智さんがエッセイ集に書いたエピソードが紹介されていました。

彼女はよく子供に絵本を読み聞かせてあげるそうです。
友人からプレゼントされた「ゆうれいホテル」という絵本という本があったそうで、そのホテルのレストランのメニューには「血のゼリー」とか「新鮮 なゴキブリのタタキ 脳みそ添え」とかがあって、彼女なら絶対に選ばない類の内容の本だったのですが、この本が子供に大ウケしたのだそうです。

読み終わったあとにも、家の中の暗がりを見つけて「あそこにゆうれいホテルがあるかな?」などとおもしろがって話しかけてきたそうです。その子はかなり想像力を刺激されてしまったようです。

親が本を選ぶと、どうしても心優しい善良な主人公がいたり、教訓めいた物語を選んでしまいがちです。
もちろんそういうものも大切なんだけど、そればっかりじゃ常識で凝り固まった人間ができあがってしまいます。

毒も、エロも、グロもあって人間なんですよね。

そんなことわかってるはずなのに。自分のことも。他人のことも。

でもそれを認めたくない部分もあって、ややこしいですね。

調べてみると、どうもコレ(↓)みたいです。作者は海外の方ですね。
ゆうれいホテル
  • 発売元: 大日本絵画
  • 価格: ¥ 2,205
  • 発売日: 1997/01
  • 売上ランキング: 921

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2007/01/24

かもめ食堂/群ようこ

昨年の映画公開期間中のラジオでのプロモーションをを聴いて気になっていて、さらに最近DVD化されて、この映画がいいという評判をいろんなところで聞いて、年末年始の休暇中には絶対に観たいと思っていました。

そのことを家内に話してみると「私も気になっていた。」とのこと。妙なところで気が合います。

我が家のDVDプレーヤーは現在壊れてしまっているのでビデオしか観れません。(無理すればパソコンで観れるけど)
年末にビデオ屋に行ってみたら「かもめ食堂」はDVDでしかリリースされていないみたいで、さらにそのDVDも、たくさんあるのに全部借りられている状態でした。

そのあとも家内は、子供と一緒にビデオ屋へ行くと必ず「かもめ食堂」をチェックしているようですが、いつも出払っているそうです。そうとうな人気ですね。

そうこうしているうちに、図書館で見つけた、といって家内が原作本を借りてきてくれました。

さっそく読み始めてみたら、最初の10ページ目くらいの、合気道の師範をしている主人公のお父さんが、普段は料理なんかしないのに、朝早く起きて 主人公の遠足のためにごつい手でおにぎりを握る場面で泣けてきてしまい、これはヤバイ、ということで家で読むのは控えていました。

昨日は1日、建築基準法の講習会があって、そこでこっそり読みました。いや、こっそりでもないか。講師のみなさんごめんなさい。

で、ようやく読んだ感想ですが(前置き長過ぎ)、ずっと誰かの敷いたレールに乗っかって生きてきた人たちが、少しずつレールから外れて、自分の足で歩き始めるところが書かれているのかなぁと思いました。
主人公だけは始めからずっとレースから外れっぱなしなんですけどね。

あと、コレ読んだあとには無性におにぎりが食べたくなります。話の中ではずっとおにぎりの人気は上がらないんですが。

ツヤツヤに炊き上がった炊き立てのご飯を、手につけた塩だけでギュっと握った、具も何も入ってない、海苔も貼り付けてない、真っ白でホカホカの塩むすびが食べたい。

かもめ食堂
かもめ食堂
  • 発売元: 幻冬舎
  • レーベル: 幻冬舎
  • スタジオ: 幻冬舎
  • メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/01
  • 売上ランキング: 142724
  • おすすめ度 4.5

かもめ食堂
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  • 発売元: バップ
  • 価格: ¥ 4,072 (19% OFF)
  • 発売日: 2006/09/27
  • 売上ランキング: 193
  • おすすめ度 4.5

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2007/01/22

iTunes Store の「今週のシングル」を侮るな。

最近、仕事中に iTunes で音楽を聴くことが多くなってきました。朝一の日課は、その日の気分に合わせて、その日1日分のプレイリストを作ることだったりします。

そんなわけで毎朝 iTunes を起動するのですが、たまぁに iTunes Store を覗きに行ってみたりもします。あんまり覗きにいくと色々と買いすぎてしまいそうなので、たまぁににしてます。

そんな僕のように、音楽にかけるお金を節約したい人にオススメなのが、iTunes Store の Home のど真ん中あたりにバナーが配置されている「フリーダウンロード 今週のシングル」です。これからブレイクするであろうニューカマーたちがピックアップされているのですが、そのチョイスが尋常じゃなくシブいです。
その選曲をひとことで表現するなら「ヴィレッジヴァンガードでオススメされてそうな感じ」といえばいいでしょうか。

昨年、僕がここからダウンロードした中でかなり気に入っている曲をいくつかご紹介します。
もうみなさんブレイクしつつありますね。

ここでまとめてみることができます。
たまにチェックしてみると、いいことあるかもしれませんよ。

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2007/01/18

神戸の震災のこと

あの震災のとき、僕は大阪の枚方というところに住んでいた。

大きな揺れを感じて目が覚めてしまった。のちの報道によれば、そのあたりは震度3だったらしい。それでも僕がそれまで感じたことのないくらいの大きな揺れだった。しかし、まったく固定されることなく置かれた本棚が倒れることもなく、それどころか棚の本が落ちてくることもなかったので、もう一度寝直すことにした。

1時間ほど寝て、胸がざわつくのを感じながらテレビをつけてみると、阪神高速道路が横倒しになっている映像が映し出された。なんだかまったく現実感のない映像だった。たぶん電車は動いてないだろうな、と現実的なことを考えながら、いつもよりは少しゆっくりめに出勤前の朝の支度を始めた。

テレビからは目が離せなかった。長田区で火災が起こっている様子が映し出されていた。そのテレビの情報によれば、僕が利用している私鉄はちゃんと動いているみたいだった。まさか、と半信半疑ではあったけれど、仕方がないので家を出ることにした。駅についてみると本当に電車は動いていた。

いつもよりも少し遅れはしたけれど、ほぼいつもどおりに出勤することができた。出勤途中に見える街の景色は、いつもよりも少し静かな印象で、現実感が希薄な感じだった。閑散とした、というほど静かではないのが、なんだかちょっと嫌な感じだった。

僕と同じように出勤することができたのは、ほんの数名だった。僕の家よりは震源に近い分だけ揺れが大きかったらしく、会社の本棚からはたくさんの本が落ちて床に散らばっていた。出勤できた数名で手分けをして、そんなものの整理が終わったのが昼過ぎだった。今日はもう仕事にならないだろうということで帰宅することになった。その頃になってようやく、自分の胸のなかに、なんだかすごく嫌な感じのするものがたまってきているのを感じた。

何名もの社員が被災して、中には自宅が半壊したものもいた。社員の中には「建築の仕事をしているんだから、この状態をちゃんと見ておいたほうがいい」といって、まだ交通機関が復旧する前に、阪神高速道路に沿って瓦礫の中を歩いて神戸まで見に行ったものがいた。その気持ちもわからないではなかったけれど、被災者の人たちの横を通ってそういうものを見にいくのはどうも気がすすまなかった。

そういったこととはまったく関係ないみたいに、仕事はいつもどおりの激務に戻っていた。震災復旧工事の設計や調査が多くなってきていた。僕が調査のために神戸を訪れた頃には、瓦礫はあらかた片付けられて、街はもうだいぶ元気や活力を取り戻しつつあった。神戸の人たちの表情が思いのほか明るいのが印象的だった。

ある被災者の言葉で、とても印象に残っている言葉がある。

その人は個人で設計事務所をやっていて、僕の勤務する会社の外注で図面を描いていた。その人が住んでいたあたりでは、日常生活がもとに戻るまでに比較的時間がかかったようで、長いあいだ飲料水や食料の確保に苦労しているみたいだった。
それでも仕事をしないわけにはいかないので、僕と仕事の打ち合わせをしに大阪まで出てきたときのこと。震災前とまったく変わらない様子で仕事をしている社内の雰囲気を見て、その人が笑顔でいった言葉が、
「ここへ来ると、自分が浦島太郎になった気分になるよ。」
だった。

ちょっと心が痛んだけれど、いつもどおりに打ち合わせを始めた。
あの言葉が今でも忘れられない。

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2007/01/14

Macworld Keynote 2007 Videocast を見てみた

iTunes Store のトップのど真ん中にドドーーンとあらわれたので、迷うことなくダウンロードして見てみました。 会社には光回線がきてるので、どでかいファイルも1時間ほどで落とせました。見るのにまた1時間ほどかかるわけですが。
会社でナニやってんのってツッコミはナシの方向でお願いします。

ファイルへのリンクとかファイルサイズとか詳しいことはこちらで。
J.B. の " So Good !! " というシャウトをバックにあらわれたジョブズの、朝の挨拶に続く第1声は、" James Brown ! " という神の紹介でした。そして " Welcome to Macworld ! " あー。始まって30秒ほどで、脳内にドーパミンが溢れ出すのを感じます。ヤバいです。
ショーの開始を告げるご挨拶として、僕が今まで最強だと思っていたのは、小西康陽の「ピチカートマニアのみなさんこんばんは。ピチカートファイブです!」だったのですが、今日から " Welcome to Macworld ! " に変更です。

そのあとに続く業務実績報告は適当にすっ飛ばして、Apple TV へ。
実は最近我が家のDVDプレーヤーがぶっ壊れまして、ずっとこれの発表を心待ちにしてたんですが、DVDレコーダーもTVチューナーもついてないんじゃダメですね。思いっきりがっかり。一緒に Mac mini を買えってことですね。予算オーバーです。
ということでここもすっ飛ばし気味に見て、いよいよ iPhone です。

これが手に入ったあかつきには、このときのジョブズよろしく " Boooon ! " って言いながら起動させる人が続出の予感がします。Boooon !
あと、スタバに電話してラテを4000杯注文したあとに " Just kidding. Wrong number. Thank you. Bye bye." もたぶん続出だと思います。スタバはもう覚悟しておいた方がいいと思われます。

これを見たあとに、自分の足取りがちょっとジョブズっぽくなってるのに気づいて、我ながらバカだなぁって思いました。ははは。

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2007/01/11

iPhone の憂鬱

「歴史に残るキーノート」と評判の高い、Macworld 2007 でのスティーブ・ジョブズのキーノートでiPhoneが発表されましたね。キーノートの素晴らしさと iPhone の素晴らしさの両方を手っ取り早く知るためには Engadget の以下の記事がオススメです。
10:29am - Google Mapsのデモ。観客はほとんど恍惚状態。椅子から落ちそうなくらい前に乗りだして舞台に注目。こんなプレゼンは見たことがない。

Engadget のこんなコメント見たことがない。

ところで、iPhone が素晴らしければ素晴らしいほど、日本のアップルファンやガジェットマニアの多くは憂鬱な気分に陥っているのが予想されます。僕自身もその中の一人です。なにしろアジアでの iPhone の発売は 2008年になるというのですから。さらにそのアジアと呼ばれる地域に、日本が含まれていない可能性が高いというのですから。

あー。あー。うー。もう、うなるしかありませんね。

そのあたりの詳しいお話は、以下をご覧ください。
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2007/01/09

仕事始め

遅ればせながら。みなさん、あけましておめでとうございます。
今年もこんな調子のマイペースで、この場所で自分勝手に文章を書き続けていくつもりです。よろしくお願いします。

ところで、今日が仕事始めです。

社会人になってから初めて 、こんなに長い年末年始の休暇を過ごしました。 とても有意義に家族と過ごすことができました。

午前中、いつも地鎮祭に来てもらっている神主さんが会社にやってきて、 会社の神棚に向かって社員全員でご祈祷をしました。 全員、頭の上でワサワサやってもらいました。 基本的に単純なので、今年もいい年になりそうな気がしました。

ご祈祷のあとに運勢の話があって 、それによれば今年は運気が強すぎて 八方ふさがりの年だそうです。 母親や妻などの女性を大切にして 、身近な人と協力をしながら、 未来の発展のための種を作る年にすると良いのだそうです。

ところで、休暇中に映画「鉄コン筋クリート」を観てきました。

泣きました。 後半はずっと泣きっぱなしでした。 まわりにほとんど人がいないのをいいことに泣きました。 自分は結構泣くほうだとは思っていましたが、 ここまでとは思わなかったってくらい泣きました。

日本に住んでいる大人は全員観たほうがいいと思いました。 この映画を作った日本に住んでいて良かったと思いました。

それにしても空いてしました。 ロビーにはたくさんひとがいたので 、やっぱ人気あんだなぁと思ってたんですが 「鉄コン筋クリート」の上映までに ロビーにいた人たちはあらかたいなくなってしまいました。 みんな硫黄島へ行ったみたいでした。

僕が館内に入ると、 おばあちゃんに連れられた男の子がいました。 その時点で館内は、そのふたりと僕の3人だけでした。 うへーと思いました。

そのあと男の子を連れたお母さんがやってきて 合計5人の観客で映画が始まりました。

子供が見る映画じゃないのになぁと思っていたら 、やっぱり子供が見る映画じゃなくって 、途中で出て行くだろうと思っていたのに 全員最後まで観ていたので、 その点ではみんな偉いと思いました。

みんな泣いていただろうか?

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