2005/06/04

個人情報って

 伊藤ガビンさんの先見日記「泥ボーにやさしい星」を読んで、個人情報って何だ?と考えてしまった。

 大学生の頃、呉服屋の営業のバイトをしたことがあります。まず最初にやることは、役所へ行ってその地域に住む今年成人を迎える女性の住む家を調べることでした。住民票の閲覧は誰でも自由にすることができます。お金を払う必要があったかどうかは定かではありません。台帳を指定の場所から持ち出すことは禁止されていて、コピーをとることはできませんが、別のノートに書き写すことはできます。
 どこかからダイレクトメールが送られてきたり、勧誘の電話がかかってきたりする度に「どこかから名簿が漏れているのかな」と考えていた私は、呉服屋の社長に前出の手段を教えてもらったとき軽いショックを覚えました。学校の卒業名簿などを手に入れるのと比べれば格段に手間はかかりますが、確実に目的の情報を正々堂々と得られる手段が公に認められているのです。

 もちろんそのことを知っているのは、ごく限られた人たちなのですが。

 それ以来私は、単純な「住所・氏名・年齢」という情報は個人情報だとは考えなくなりました。そこまでは調べる気になれば簡単に手に入る情報なのです。それに「電話番号・メールアドレス・趣味嗜好・収入・交友関係」などの情報が付加されて初めて、企業にとって有益な個人情報になるのです。

 まわりを見渡してみると Google や Amazon が実に効率よく個人情報を収集していることに気づきます。街で買い物するときに店で作った「お客様カード」からは顧客の「趣味嗜好」や「経済状態」などの情報がどんどん吸い上げられ統計化されていきます。

 利便性を求め、社会が高度に情報化されていくと、個人情報がある程度漏れていくのは仕方がないとあきらめるしかないのかもしれません。

[Society]
 


    There are 4 Comments

    Blogger ポトフ said...

    個人情報、守られすぎるのもどうかと思いますね。漏れてたほうが便利になったりするときありますからねぇ。

    6/05/2005 6:53 午前  
    Blogger H & A said...

    個人情報はある程度漏れているものと考えて、その情報をもとにして勧誘などにどう対処するかをよく考えた方が良さそうな気がします。

    6/06/2005 6:20 午前  
    Blogger Hit said...

    amazonから、「あなたが以前CDを買ったバンドが、5年ぶりにニューアルバムを発売しましたよ」とかメールがあると、便利ですからね。

    個人情報というのは、自分のところに包み隠すものではなくて、コントロールしながら目指す相手にばらまいていくのが上手な使い方なのでしょう。そのときに、いかに不要な相手に知られないようにするかが難しいところですね。

    6/06/2005 10:22 午後  
    Blogger H & A said...

    そうですね。
    「コントロール」がキーワードになるのかもしれませんね。

    6/07/2005 6:15 午前  

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