2005/11/19

著作権について

 著作権Q&AのQ10、タイトルの利用 掲示板での歌詞などの部分的使用 (著作物なのかどうか)の補足意見の部分にこう書かれています。
 インターネットが単に宣伝媒体としてだけでなく、市民の表現の場としての意味をも認めるのであれば、常識的に歌詞の使用が妥当とされる範囲(狭い引用の解釈を超えた)があるべきと思います。それについては、権利者に実質的影響がない限りは、政府も業界も関心を払わないので、司法判断で決着がつくわけでもなく、市民が法の解釈をして判断するしかないと思います。こういう場合に、よく議論もせずに、違法だとか合法だとか言って人を批判するのではなく、「どうあるべきなのか、そしてその理由はなにか」、ということを良く考えていただきたいと思います。「実際には誰も迷惑を受けないが法律違反だからやめろ」とか、「誰かがイヤな思いをしているのに法律が何も言わないからやる」とか、そういう発想からもう一歩、前進していただきたいのです。著作権法は、文化の発展のために、権利者と利用者の間の利害の調整をする法律です。

 いいこと言った。この人とってもいいこと言った。あんまりいいこと言ってるので長々と引用してしまいました。

 最近、日本のミュージシャン達が自分が若い頃に聴いた大好きなミュージシャンの作品をカバーするのが目立ってきています。わたしはこれを日本の音楽環境が成熟してきたからだと考えています。
 クラシック音楽は、過去に作曲された作品を、演奏家や指揮者の解釈によって微妙にアレンジされ増幅されて味わいを増し、時代とともに変化したりもします。
 ジャズの世界でもスタンダードと呼ばれるものが存在し、同じ曲をいろんな演奏家がいろんな解釈で演奏しています。
 ロックやポップスの世界でも、洋楽では昔からビートルズなどの偉大な作品がたくさんカバーされ発表されています。

 もちろん日本でもリバイバルなどと呼ばれて過去の作品がカバーされことはありましたが、最近良く出てき始めたものとの大きな違いは、カバーするミュージシャンがオリジナルを作ったミュージシャンに対して強くリスペクトの気持ちを持っていて、それが強くリスナーにも伝わってくるところです。
 これによってオリジナルの魅力が際立ち、リスナーによってもオリジナル周辺の過去の作品が発掘され、とても良いサイクルが生まれます。そして、創作を含めた音楽環境の成熟につながるのです。

 少し乱暴な言い方ですが、すべての創作は好きな作品のコピーから始まります。

 著作権はあくまでも著作者の権利。そしてその権利は、著作者がその権利を主張したときに効力を持ちます。つまり、著作者が「あなたは私の著作権を侵害しました。」と言った時点で著作権侵害が成立するのです。どこかでそんな意味の文章を読みました。歌詞の引用、メロディの焼き直しなどの行為の裏に、確固たるリスペクトの気持ちが感じられれば、その権利は主張されないのではないかと思います。
 あいだに妙な営利団体がはいってややこしくなってるのが、今の状況なんだと思います。

[Society]
 


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