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2005/12/01

最後は良心を信じるしかない

 今回の構造計算書偽造事件で、大きな責任の一端を握っているとされているもののひとつに民間確認申請審査機関「イーホームズ」があります。世間では「官から民へ」の規制緩和が今回の事件の背景に存在する、という論調が強いようですが、すこし疑問を感じたので書いてみたいと思います。

 実は今一番ビクビクしているのは、各お役所の建築指導課ではないのかなぁと思っているのです。

 最近よく聞く意見で「民間で審査がスピーディーになったかわりに必要な審査が飛ばされてしまった」というものがありますが、これは必ずしも正しくはありません。

 最近ニュースに頻繁に登場する10階建てくらいの鉄筋コンクリート造のマンションの構造計算書といえば膨大な量になります。これを審査するのは生半可な作業ではありません。マニュアルにのっとって全てのページを逐一確認していたら、法律で定められた期間内では確認作業は終わらないでしょう。これを間に合わすためには、経験にもとずいてポイントを押えた効率のよい確認作業が求められます。

 この経験とは確認作業の経験ではなく、その規模の建物の構造設計を行い、構造計算書をまとめた経験です。このような苦労をしないと、本に書いていることが実体験として身につかないし、どんなときにどんなところでエラーがでるのかが分かりません。

 で、このような経験をした人がお役所の建築指導課にいるかというと、かなり疑問を抱かざるをえません。かえって民間の検査機関のほうが、実際に設計事務所などでバリバリ構造計算をやっていたような人が転職してきている可能性があります。

 
このようなプロフェッショナルと呼ばれる人がいる可能性は、数年単位で部署の移動があるお役所の建築指導課よりも民間の審査機関の方が、高いのです。

 しかし、このようなプロフェッショナルの経験も、長い間審査しかしていない間に古くなってしまいます。つまり、審査する側よりも設計する側のほうが常に一枚も二枚も上手という状況になります。

 では建物の信頼性はどうしたら保たれるのでしょうか?残念ながら、最終的にはその建物に携わった設計者・工事施工者・工事監理者の良心を信じるしかありません。

 ということですから、住宅を建てるときにはどの会社に頼むのか、あるいはどの会社の誰に頼むのかを決定するのに相当熟考する必要があります。出来上がったものを購入する場合は、その建物に関わった会社の評判をよく調べる必要があります。当然のことなんですけどね。

[Society]
 


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