2005/03/14

それでも日本は変われない?

 Passion For The Future によれば,フランスでは「文化の日本、経済のフランス」という論調があるようです。
 ところが日本国内では、この全く逆の認識が一般的のように思います。

 その記事でその後に続く興味深い部分を引用すると、
国力をGNPやGDPという経済指標はなく、文化のかっこよさ(Gross National Cool)という概念で表したら、日本は世界第一級だという内容。日本はクールな国になったのだ。

だが日本経済の中心ではその自覚はない。

フランスで一番有名な日本人は鳥山明であるという。ところが日本の財界人は鳥山明を誰なのか知らないと著者は問題提起をしている。これからの日本はコンテンツ産業だと掛け声をかける人でさえ、日本のアニメや漫画を見ていなかったりする。国際的な賞を取るレベルになって、半信半疑で逆輸入、再評価をしている。

 フランスに限らず、全世界で日本の映画、アニメから料理、ファッションまでが高い評価を受けていることは周知の事実です。
 日本という国は、外部から指摘されてようやく自らの文化の素晴らしさに気付く、ということを繰り返してきているように思います。
 これはどういうことでしょうか。鎖国状態を解き、西洋化を推し進める中で生じた「合理主義ボケ」「経済主義ボケ」なのでしょうか。

 日本経済は、ようやく復活の兆しが見えてきたように見えますが、ダイエー、西武、ソニーなどのビッグネームが次々と窮地に陥っている現状を見ると、まだまだのようです。
 Letter from Yochomachi さんのこの記事によれば、エドワード・リンカーンが新著の中で「日本は変わらない、労働者の54%がなんらかの既得権グループに属するからだ」と述べているそうです。以前に私もこのブログの中で「さらに失われる数十年」という記事を書きました。どうも日本が変わるためにはバブル期以前に発生した「既得権」から開放されることが必要なようです。

 こういった視点を持つと、ライブドアとフジテレビとの間で起こっている問題も別の見方で見ることができます。バブル期にはまだ卵の状態であっために「既得権」とは基本的に無縁のIT企業が、「既得権」で身動きができなくなっている大企業と対立しているのです。

 『それでも日本は変われない』のでしょうか?

[Society]
 


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