美しさ、とは
Passion For The Future: 世界でもっとも美しい10の科学実験を読んで。
この本の著者が定義した、美しい実験が持つ要素というのが次のようなものだそうです。
・深いこと
結果が基本的であること
・効率的であること
各部が経済的に組み合わされていること
・決定的であること
結果として生じるのは実験にではなく、世界や理論へ、の疑いであること
これは私が理想的な建築、あるいは理想的な建築設計について感じていることと完全に一致します。
理想的なもの・人の心を一気に惹きつけてしまうもの・誰もが文句なしに美しいと思うものというのは、どんなものであれ、どこかで一致するのかもしれません。
さまざまな与条件をていねいに読み解き、必要であればこちらからの提案により与条件自体に修正を加え、ヒアリングとプランニングを積み重ねながら試行錯誤を繰り返して根気よく作業を進めていくと、あるとき、一気にすべての条件を満足してどこにも不自然な箇所のない明快な答えが見つかることがあります。
いや、これは「答えが見つかる」なんて生易しいものじゃなくて、「答えが立ちあらわれる」という言葉が当てはまるような、「神の啓示」を感じるような、そんな感じです。
これを一度味わってしまうと、もうやめられなくなります。
でもその一方で私は、広告寸評の遠影画像というエントリーの下から2番目の写真ような「街並み」にも激しく惹かれます。なんだか見ているだけでワクワクしてきます。
文句なく美しいと思うのですが、これは上の3つの条件には当てはまらないものです。だって、複雑でわがままでどんどん変化していくものなんですから。
つまり、美しさは多様なんですね。(←いいのかそれで)
tags: design, architecture, book, photo
There are 2 Comments
>あるとき、一気にすべての条件を満足してどこにも不自然な箇所のない明快な答えが見つかることがあります。
これ、判りますよ~。
私のは「美しさ」とはあまり縁がありませんでしたが、積み上げていくとすっきり解決する経験って、モノ作りでは、時々遭遇しますね。
>これを一度味わってしまうと、もうやめられなくなります。
そうなんですよね~。
そんなにバッチリ共感してくれる方がいてくださると嬉しいです。
ちゃめさんは小説をお書きになりますよね。
これはそのあたりの話しなんでしょうか?
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