田口ランディメソッド
1年ほど前に田口ランディさんのエッセイ集を集中的に読んだ時期がありました。きっかけはフラリと立ち寄ったヴィレッジ・ヴァンガードの書棚に置かれていた「できればムカつかずに生きたい」の表紙の眼に魅入られてしまったこと。
それからどんどんハマっていきました。それまで彼女の小説はいくつか読んだことはあったけれど、エッセイを読むのはそれがはじめてでした。しかしもともと彼女はネットに書いたエッセイ的な文章が人気を呼んでデビューしたひと。あらためて彼女の魅力に気づかされた気がしました。
いくつかのエッセイ集を読んでいくと、「田口ランディメソッド」のようなものがあることに気づきました。
彼女は次から次へといろんなものにのめりこんでいきます。アウトドア。自分の家族。父親の介護。パワースポットなどのスピリチュアルな世界。
一度ハマると、とにかくどんどん突き進んで、とても深いところまでたどり着き、それらについて1冊の本を書けるほどになります。しかしそれらのどれについても、ハマる直前まで彼女はそれらのことを心底嫌っているのです。
特殊な家庭環境で育ったために、自分では気づくことはできないと思っていたあたたかな家庭。粗野で強引で身勝手な、大嫌いな父親。毎晩飲んだくれて、アウトドアとは無縁の生活。多少の嫉妬心とともにアウトドアにのめりこんでいる人たちを毛嫌いさえしていた。霊的なものの存在なんて絶対に信じなくて、すべては合理主義の上に成り立っていると考えていた。
しかし、そんな彼女の言葉だからこそ、そんな彼女でさえもハマってしまった事柄だからこそ、妙な説得力とともに「ひょっとしてオレもこんな風に思えるのかも」と思わせてくれます。
いわゆるツンデレとはちょっと違います。「真逆の説得力」とでもいえばいいでしょうか。狙ってできるものじゃないので、応用はできないと思いますが。
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